分譲住宅会社の行う注文住宅は本当に注文できるの?
セミナー等で、『分譲住宅(建売)も結構仕様もいいのですが
注文住宅と何が違うのですか』といった質問を頂くことがあります。
一言で言えばお施主様と私たち設計士の魂が入っているか、
どれだけの想いがそこに入っているかだと思います。
分譲住宅で家を買って引き渡し時に涙を流す人はいませんが
本当の注文住宅では完成時に涙を流される人もたくさんおられます。
分譲住宅会社で『最近注文住宅もやろうと思うんですけど』
と言う社長さんが相談に私のところに来られます。
私はいつもそういった会社さんに
注文住宅と言うものは本当に大変ですと言います。
ただし、その大変さを単純に大変と感じるか楽しいと感じるかの違いはありますとお答えしますが、分譲住宅をやっている人には単純に大変!面倒くさい!と感じる人が多いようですね。
お施主様に喜んでいただく為には、私たち設計者がまずは楽しまないといけないと思っています。
これは楽しみなさいと言って楽しめるものではありません。
ものづくりが好きな人でないと楽しむことはできません。
過去にも私たちのところに多くの設計者が来ましたが口だけで注文住宅が設計したくてと言っている人はすぐに辞めてしまいます。
それだけ大変な面も多いのです。
しかし現在在籍している設計者はこういった家づくりに対して楽しさを感じながら設計しているので、長く私についてきてくれているのだと思っています。
言葉で私たちも注文住宅ができますとは言っても
注文住宅にも全く定義がない為、
私たちも注文住宅をやっていますと言えばその会社が注文住宅ができる会社と言うことになります。
私たち注文住宅を専門に行っている会社からすれば、そんな簡単なものじゃないですと言いたくなることがあります。
日頃から分譲住宅慣れしている人にとっては分譲も注文住宅も同じような提案しかできない人がほとんどなのです。
一級建築士が設計していると言っても分譲住宅を日頃手がけている設計士ではある程度の狭い範囲でのご提案になります。
ですから分譲住宅になれている設計士が弊社に来たときには注文住宅というものに慣れるまで最低3~4年はかかってしまいます。
一級建築士や二級建築士等で判断はできません。
経験とその設計士が家づくりがどれだけ好きか、幅広い知識を身に着けると言う意思をどれだけ持っているかが本当に大切な部分です。
私の経験上よくセミナーでもお伝えしますが、
基本的に分譲住宅を行っている会社は基本注文住宅もやっていると言っても分譲住宅ですね。
私も多くの会社のこういった社長さんとお話をしてみて感じました。
分譲住宅が悪いというわけではありません。
皆さんのこだわり具合によって分譲住宅か本当に注文住宅かを見極めることが重要と言うことですね。